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Answer

歯科医が金属冠の土台を誤って挿入したことで歯根が破壊され、インプラントを余儀なくされた事例

事案

40代女性が奥歯の根幹治療をしたものの痛みが続き、他の歯科医院を受診した所、メタルポスト(金属冠)が髄床を貫通し、歯髄炎を生じている事が判明したことから、抜歯しインプラント治療を行った。

事務所の対応

裁判において歯科医師は、自らの治療が正当であり、メタルポストが髄床を貫通している事実もないと主張した。当事務所では、歯のレントゲンやCTを示して貫通している事を繰り返し主張したが、平行線となり、大学病院歯学部の教授である専門委員に関与してもらうこととなった。専門委員が抜歯した歯を研究用CTで解析した結果、貫通した後それをセメントで埋めており、X線、CT上も貫通が認められる事が確認され、インプラント代と慰謝料を含めて、患者様の満足のいく和解となりました。

解説

依頼者様も当事務所も事実関係は明確と考えていましたが、思いの他裁判官に伝える事に苦労しました。科学的にはありえない被告歯科医師の主張に裁判官の心証が傾く局面もあり、「(歯科)医師の言っている事は正しいに違いない。」という裁判官の思い込みが如何に強いものか改めて認識する事になりました。当事務所の医師・医学博士である弁護士が医学文献を丹念に当たるほか、培ったネットワークを生かして他の歯科医師の意見書を取得し、また被告歯科医師の主張は科学的にありえない事を粘り強く主張した結果、専門委員の関与により事実関係が解明され、上記の結果を得る事が出来ました。 医療訴訟における、科学・医学知識に基づいた適切かつ粘り強い主張の重要性が再認識された案件でした。

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