組合と交渉し未払賃金を分割支払に

グラデーション
グラデーション

※守秘義務の観点から、事例は実際に取り扱った事案を匿名化の上、一部改変してあります。

未払となっていた賃金について粘り強い交渉の長期分割で支払うことにより解決した事例

A社は、売上の減少により各種手当が支払えない状況が続いていました。

従業員も、経営状態が厳しいことはうすうす分かっていたようで、当初は協力して売上を伸ばそうと意気投合しておりましたが、その後従業員と経営者の気持ちのすれ違いから、ある従業員が合同労組Bに加入したことを機にその他の従業員も次々と合同労組Bに加入をしました。合同労組BからはA社に対し、各種手当を支払う義務があるという通知ともに、未払い残業代があるなどと併せて請求がされました。

A社には、団体交渉を担える社内人材が不足していたことから、当事務所に団体交渉の依頼が来ました。

相談を受けA社の経営状況等をチェックすると、未払になっている各種手当及び残業代を一括で支払うことは極めて困難であり、仮に支払うとなると破産も検討せざるを得ないという状況でした。

そこで、当事務所としては、残業代を一括で支払うことになった場合に予想される事態について、Bにきちんと理解してもらうことが重要だと判断しました。一括で支払うのであれば、破産も検討せざるを得ないこと、そうなれば結果として、未払となっている各種手当や残業代全額の回収が困難となってしまうばかりでなく、現在働いてる従業員は働き口がなくなってしまうこと等を伝え、粘り強い交渉を続けた末、長期の分割で支払うということで説得することができました。結果として、A社は破産を避けることができ、存続することが可能になりました。

A社のように、従業員の一人が合同労組に駆け込むことによって、次々に他の従業員も合同労組に駆け込んだ結果、会社が把握していた未払の賃金の他、把握していなかった残業代等も併せて主張されるケースは少なくありません

残業代の請求は、通常の賃金に上乗せして計算されるため、このように一括で請求されるとなると会社の存続にも影響する事態となります。

今回のケースでは、会社の売り上げが厳しいという状況下でしたので、会社の存続という観点からは極めて危ない状況でしたが、経営状況が現時点で厳しいとまではいえない会社であっても、複数の従業員からこれらの請求を受けるとなると、一気に経営状態が厳しい事態に至ることも少なくありません。

そのため、このような状態に陥る前に、現在の労働時間の管理や就業規則等について、ぜひお早めに専門家のチェックを受けてください。