質問

 会社に「解雇する」と言われた場合にはまずどのような対応をすればよいですか?

回答

まずは、解雇理由証明書を要求し、交付してもらうことが重要です。

一方的に解雇されたからこそ後に不当解雇として争う余地があるのであって、自主退職したことにされてしまったら争うことができなくなるからです。したがって、「書類上だけだから」などと言われたとしても、本当は解雇されたのに「退職届」等の書面にサインや押印をしては絶対にいけません。解雇理由証明書の交付は使用者の義務であり(労基法22条)、拒むことはできません。もし使用者が解雇理由証明書を交付してくれない場合は、当事務所を通じて交付を請求することも可能ですので、ご相談ください。

質問

 解雇予告手当を支払えば解雇は有効になるのですか?
 
 

回答

なりません。

解雇予告手当の支払は解雇の効力と無関係であり、解雇予告手当を支払ったとしても、正当な理由のない解雇は無効です。

質問

 解雇が無効となった場合、どのぐらいの金額が貰えますか?
 
 

回答

個々の事情によりますが、労働審判制度を利用する場合、賃金6か月分程度の金銭で調停(和解)成立となっているケースが多いです。

ネット上の情報には、労働審判における不当解雇の解決金の相場を「賃金3か月~6か月分」などと記載するものが散見されますが、不当解雇にも関わらず3か月分や4か月分では低すぎ、安易に妥協しすぎと考えます。
当事務所の実績としては、労働審判で不当解雇と認定された場合、最低でも5か月分は取っていますし、6か月分を超える金額を取ることも珍しくありません。一方、訴訟の場合は労働審判よりも高額化する傾向がありますが、解決まで時間がかかりますし、勝ち負けの微妙な事案の場合等に柔軟な話し合いがしにくくなる側面もあるので、一長一短です。

どの程度の期間を費やしてどの程度の解決水準を希望するか、そのためにどの手続を利用するか等も含め、詳しくお話を伺って方針を決定する必要がありますので、まずはご相談ください。

質問

 解雇を争う場合に必要な証拠にはどのようなものがありますか?
 
 

回答

解雇を争う場合、極論すれば、証拠は何もなくても大丈夫な場合が多いです。

なぜかというと、裁判実務上、解雇の有効性を主張する使用者側が解雇理由を立証しなければならないものと扱われているからです。
とはいえ、何もないよりはあった方がよいので、使用者側の主張する労働者の落ち度や能力不足等を否定できる材料があれば、在職中に収集しておきましょう。

質問

 業務中の怪我で2か月会社を休んでいたら、会社から「休職期間が終了したから解雇する」と言われました。これは有効ですか?
 
 

回答

無効です。

傷病による休職制度がある使用者において、休職期間が満了しても傷病が治癒していない場合は、働くことができないわけですから、一般論としては解雇されてもやむを得ません。しかし、休職の原因となった傷病が「業務上」のものである場合には、解雇はできません(労基法19条1項)。
ご質問の事例は、業務中の怪我ということですので、解雇できない場合にあたります。
なお、怪我の場合は「業務上」であることが比較的明確ですが、病気、特に精神疾患の場合は判断が難しく、争いになる場合が多いです。うつ病等による休職が業務に起因すると認められ解雇が無効とされた裁判例も多数ありますので、諦めずに弁護士にご相談くださ

質問

 有期雇用契約の場合には、期間満了により当然に会社を退職しなければなりませんか?

回答

更新がなされない場合は期間満了により退職となるのが有期雇用の原則です(雇い止め)。

しかし、雇い止めが無効とされる場合もあります。
すなわち、①過去何度も更新されている有期雇用契約で、無期雇用と同視できるような事情がある場合(労働契約法19条1号)、または、②労働者が契約更新を期待することについて合理的理由がある場合(同条2号)に、雇い止めが「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」(同条柱書)は、雇用契約は従来と同一の条件で更新されたものとみなされます。

質問

 営業成績が悪いことを理由に解雇されてしまいました。これは有効ですか?

回答

一概には言えませんが、単に「今期のノルマ未達」という程度の理由で解雇したような場合は解雇無効と考えられます。

一方、極端な成績不良が継続し、使用者が繰り返し指導しても改善せず、今後改善の見込みがないような場合は解雇も有効になり得ます。個々の事案については詳しくお話を伺う必要がありますので、まずはご相談ください。

質問

 上司に言われて退職届を出してしまいましたが、これを撤回することはできますか?

回答

退職届の撤回は通常は困難ですので、退職したくないなら安易に退職届は出さないことが重要です。

もっとも、社内の一室で取り囲まれて長時間にわたり退職届に署名捺印を迫られたというような場合は、強迫(民法96条1項)を理由に退職の意思表示を取り消すことができます。また、正当な解雇理由もないのに「退職届を書かなければ解雇する」と言われ、自主退職しなければ解雇されてしまうと思い込んで退職届を書いたというような場合、退職の意思表示は錯誤により無効(民法95条本文)です。