質問

 労働審判とはどのような制度ですか?

回答

イメージとしては、プチ訴訟と調停がセットになったような制度です。

労働審判においては、民事訴訟と同様に両当事者が主張立証をし、その主張立証に基づいて、裁判所が事実を認定し、さらに法的判断をします。そして、裁判所は、その判断結果(心証)を、両当事者に開示します。 ざっくり言うと、負ける側は、負ける前に、裁判所から「あんた負けるよ」と事実上言われてしまうわけです。そうして勝ち負けが事実上決した状態で調停の話し合いに移るのが労働審判制度の特徴です。負ける側は、調停に応じなかったところで負けることはもう分かっていますから、応じる方が合理的となるので、労働審判手続における調停成立率は非常に高いです。

ネット上では調停成立率8割といった記述が散見されますが、当事務所の実績としては、9割以上の案件が調停で終わっていると思います。単なる調停制度であれば、一方に応じる気がなければそれで終わりなのですが、労働審判手続きには訴訟的側面があるために、訴訟の判決に近い、法的に妥当な解決が期待できる上、調停制度の柔軟性や迅速性も兼ね備えています。非常に使い勝手の良い制度といえます。

質問

 労働審判を申立てた場合、解決までの期間はどのぐらいですか?
 
 

回答

労働審判期日は原則として3回までです(労働審判法15条2項)。

第1回労働審判期日は、申立から原則40日以内に開くこと(労働審判規則13条)とされており、第2回及び第3回は、それぞれ前回から10日~2週間程度の間隔で指定されることが多いので、第3回期日まで開かれた場合でも、申立から2か月~2か月半程度で解決する計算です。なお、第3回期日まで行なうことはあまり多くはなく、第2回期日までに解決する事例の方がだいぶ多いという印象です。

質問

 労働審判を申立てた場合、費用はどのぐらいかかりますか?
 
 

回答

当事務所の報酬としては、着手金が10万円または20万円です。

成功報酬は、着手金が10万円の場合は得られた利益の25%、20万円の場合は15%です。その他、裁判所に納める印紙代がかかりますが、労働審判の印紙代は訴訟の半額とされており、例えば1000万円請求する場合でも2万5000円で済みます。印紙代以外にも郵便代等の実費はかかりますが、高額にはなりません。

質問

 労働審判と訴訟(裁判)との違いはなんですか?
 
 

回答

訴訟は基本的には判決を目指す手続ですが(もちろん途中で和解もできますが)、労働審判は、両当事者の主張立証、裁判所の事実認定・法的判断という訴訟的側面を持ちつつも、可能な限り調停成立を目指す手続です。

また、労働審判は迅速を重んじるという点も特徴であり、そのため訴訟と比べ証拠調べ手続が簡略化されている等の違いがあります。さらに、訴訟手続は公開され誰でも傍聴可能ですが、労働審判手続は非公開です。

質問

 労働審判には本人も出席する必要がありますか?
 
 

回答

第1回労働審判期日には必ず出席していただく必要があります。

第1回期日において裁判所が当事者に色々質問をし、そこで心証を固めてしまう(つまり勝負が決まる)からです。第2回目以降の期日も可能な限り出席するべきですが、2回目以降は、もう勝ち負けの決した状態で、あとは調停の条件(金額等)の話だけとなるのが通常ですので、お仕事の関係なのでどうしても無理な場合は、欠席(代理人弁護士のみ出席)でも構いません。

質問

 労働審判はどこの裁判所で行いますか?

回答

相手方の本店や営業所等の所在地、または労働者が現に就業し、もしくは最後に就業した地を管轄する地方裁判所、または当事者が合意で定めた地方裁判所で行います(労働審判法2条1項)。

通常の訴訟は地裁の支部でも扱うのですが、労働審判は、地裁の各本庁と、東京地裁立川支部、福岡地裁小倉支部でしか扱っていません(平成27年1月現在)。当事務所では、関東地方の労働審判事件を多く扱っていますが、地方出張も可能です。