弁護士コラム

岩手の県立病院で癌を3度見逃さられる医療過誤がありました。

岩手の県立病院で癌を3度見逃さられる医療過誤がありました。

岩手県は15日、県立二戸病院で2015年にCT検査を受けた60代男性の担当医が、画像診断報告書に記載された腎臓がんを疑わせる所見を見落としたため判明が約1年5カ月遅れ、その後死亡したと発表した。病院では計3回CT検査を受けたが、いずれも見落としていた。県は死亡との因果関係を認め昨年12月、遺族と示談が成立した。

県や遺族側の弁護士によると、男性は15年3月にCT検査を受診。放射線科の医師は腎臓がんの疑いがあるとする画像診断報告書を書いたが、呼吸器内科の医師が精査していなかった。

男性は同年6月と9月にも同病院でCT検査を受けたがいずれも見落とされた。

 

「医療訴訟・医療過誤で患者側が勝つのは難しい」とはよく言われます。確かに「手術ミス」のようなものでは、本当にミスがあったことを立証するのはかなり困難で、患者さん側が涙をのむこともあります。しかし、CT、MRI等の画像診断における見逃しは、正に「百聞は一見に如かず」で、ミスの証拠がはっきり残っており、訴訟において患者さんは極めて有利になります。本件では県立病院側もそれを分かっているから、訴訟になる前に示談が成立したものと思われます。

現在の医療現場では画像診断が非常に多く行われ、思ってもいなかった画像から癌等の疾患の見逃しの証拠が見つかる事は決して稀ではありません。不幸にして癌等の見逃しが疑われる状態に陥ってしまった場合は、是非当事務所にご相談いただき、カルテ開示で取得したカルテの、医師である弁護士による無料のチェックを受けていただければと思います。