解雇・退職等

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解雇・退職等

会社が労働者との契約を終了させるには、①合意による退職、②普通解雇(狭義の普通解雇)、③普通解雇(整理解雇)、④諭旨解雇、⑤懲戒解雇などの手段をとる必要があります。


①合意による退職

会社が労働者に対して退職を勧め、労働者の合意を得た上で雇用契約を終了させるものです。

あくまで労働者の同意を得て行うものですが、表面上同意を得たと思っていても、後に不当解雇であったなどと蒸し返されるおそれがありますので、交渉の過程などを記録化しておくなど慎重な対応をとる必要があります。


②普通解雇(狭義の普通解雇)

労働者の健康状態、能力、勤務態度などを考慮して、解雇理由が合理的で、かつ、解雇が相当と認められる場合に許されます。

労働者の能力不足や不行状等の程度がよほどの場合でない限り解雇が無効であると判断される可能性が高いので、どのような場合に普通解雇が許されるべきかについては慎重に判断する必要があります。


③普通解雇(整理解雇)

会社の業績悪化などの経営上の理由により人員削減の手段として行う解雇のことです。

裁判例上、整理解雇の有効性は、解雇の必要性、解雇回避の努力の有無、人選の合理性、手続の妥当性などの要素を総合考慮した上で判断されています。

整理解雇は、労働者側の問題を理由とするものではないことから、このような厳しい制約が課されています。

上記の要素はいわゆる整理解雇における4つの要素と言われますが、具体的にどのような事案でどの要素が重視されるかは慎重に見極める必要があります。


④諭旨解雇

労働者に懲戒解雇事由がある場合に、会社側が労働者に対し、退職願を勧告し、本人の願い出によるという形で退職させる処分です。

本人の願い出による退職という形をとることから、⑤の懲戒解雇よりも緩やかに認められるなどと勘違いをされやすい類型ですが、諭旨解雇も懲戒処分の一種ですので、⑤の懲戒解雇と同様、諭旨解雇が認められるか否かについては慎重に判断する必要があります。


⑤懲戒解雇

懲戒処分としての解雇であり、懲戒処分のなかで最も重い処分です。懲戒解雇は、労働者の名誉・信用にもかかわることや、退職金の不支給など労働者の被る不利益も大きなものとなりますので、特に慎重な判断が必要とされます。

また、裁判例上懲戒解雇をするためには、就業規則に懲戒事由等を定め、周知徹底しておくことが必要となっています。

不当解雇であると争われてしまったら

会社が労働者を自由に解雇することはできません。


そのため、会社側が一方的に労働者を解雇してしまったような場合には、法的問題が発生する余地があります。もっとも、会社は自由に労働者を解雇することができないだけであり、きちんとした理由があり、相当な方法によっているならば解雇は有効です。


また、仮に労働者が合意による退職に応じてくれたと思っていても、後から不当解雇にあったなどと主張し、紛争に発展することも少なくありません。


会社としては、労働者側からの退職の申入れから始まったような場合でない限りは、出来る限り後に紛争が起こらないように、また仮に紛争が起こったとしても対応できるようにしておくことが必要です。


不当解雇であると認定されると、解雇は無効とされ、解雇されなければ労働者が得られたであろう賃金の支払等を命じられることもあり、労働審判、訴訟の対応に費やされた労力などの他に様々な不利益を被ることになります。

もっとも、労働審判や訴訟にまで至った事案のうち、労働者との間の契約関係を終了させる際に専門家の適切なアドバイスがあれば避けられたと思われる事案は少なくありません。


そのため、解雇や退職勧奨等を考えている使用者の方はまず弁護士に相談することをお勧めします