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不当解雇だとして労働審判を受任し、解決した事例

状況

高度人材として雇用していたアメリカ人のITエンジニアが、履歴書に記載していたスキルを持っておらず、勤務態度も思わしくないため社内手続きにのっとって指導するとともに会社側も業務改善したが、それも功を奏さないことから退職を勧奨した所これに応じた。ところが数か月たってから、自分は適切な指導を受けられず不当に解雇されたとして、解雇無効の労働審判を提起した。審判において、雇用条件を明記した雇用契約書や就業規則を英語の文書で手交し、適切に指導し、会社側も業務改善の努力をしたうえで退職勧奨し、本人がこれに応じた事を主張・立証し、正当な退職である旨の審判を得た。

背景

高度人材としてアメリカ人のITエンジニアを雇用したが、全くのスキル不足であったために手順を踏んで退職勧奨をし、納得してもらったと思っていたにもかかわらず労働審判を提起され、会社側に落ち度はないと考えられた。

結果

当該従業員は、会社が十分な説明と業務改善に努めず、日本の労働法制に対する十分な知識がない中でNoと言えることを知らされずになされた退職勧奨は不当な退職強要に該当し、その様な不当な退職強要によって退職届を提出させられたものであるから解雇は無効である旨主張しましたが、会社は、従前から其々の場面で作成した書面を提出し、其々の場面で当該従業員が理解できるよう適切な説明・要請を行うとともに、適切な業務改善に努めたのち、適切に退職勧奨を行い、当該従業員もそれを理解したうえで自らの意思で退職届を提出した事を主張・立証しました。
当該従業員はあくまで解雇無効を主張しましたが、最終的に正当な退職であるとの審判を得ました。

POINT

初めて外国人の高度人材を雇用するという事で、当初より当事務所にご相談を頂きました。
当事務所では、①雇用契約書のみならず、労働法令、就業規則、安全管理上必要な事項を周知しなければならない旨お伝えし、雇用契約書、労働法令の抜粋、就業規則、安全管理上必要な事項を日本語と英語の文書にして手交し、受領のサインを得て写しを保管して頂きました。
また、当該従業員のスキル不足が明らかとなったのちは、其々の場面で会社側の説明に立ち合い、会社側としては教育と業務改善に努力するけれど、改善が認められなければ就業規則にのっとって次の対応に移らざるを得ない事を、口頭で説明すると同時に、日本語と英語の文書にして手交し、受領のサインを得て保管して頂きました。
その後、会社の業務改善にもかかわらず、当該従業員の勤務態度の改善が認められず、スキルも向上しない事から、退職勧奨をしたところこれを受諾したので、日本語と英語で退職届を作成して提出してもらいました。
ところがその数か月後に、当該従業員から退職を強要されたことによる不当解雇だとして労働審判を申し立てられたため、労働審判を受任しました。

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